今敏さん・川本喜八郎さん逝く。

世の中に 絶えて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし
喜怒哀楽を感じる時にぼくはこの在原業平の歌を思いかべる。
けれども、
谷川俊太郎さんの「二十億光年の孤独」みたく、
喜怒哀楽を感じる孤独があるからこそ、
人や世の中と関わるエネルギーが生まれるのだろう。
だから僕はこの孤独を甘んじてうける。
それは今敏さんや川本喜八郎さんが歩んできた道だろう。
その長い道程は自らを孤独を味わう所へと進ませ、
しかし他を拒んたり、自らだけが認める世界ではなく、
自らを認め、世の中・世界・他者を認める橋を構築していた。
つまりは自立である。
この自立なくして素晴らしい作品はありえない。
自立しているからこそ出るメッセージは絶え間なく届く。
お二人もそのメッセージを受け取ったからこそ、
素晴らし作品、素晴らしい人柄に成り得たのでしょう。
これからも素晴らしき孤独から放たれるメッセージを私たちは忘れない。
合掌。

パプリカ [Blu-ray]

パプリカ [Blu-ray]

千年女優 [DVD]

千年女優 [DVD]