299 グレングールド

カナダのピアニストです。
クラシックっていう同じ景色を、
違うタッチや違う角度から描いて、
同じ景色でありながらも、
まったく違う世界へと連れて行ってくれる。
一旦違う世界へと行くと、
以前からその世界であったかのように
思えるほどに自然でいて、
でも大胆さゆえに驚き忘れることが出来ない。
しかし、それらは虚を突くためにされたものではないように思う。
より現実的な結果を求めたからだろう。
音楽にとっての結果とはつまりは音だろう。
音を楽しむと書いて、音楽。
音を楽しんだピアニストの1人言っていいのではないだろうか。
演奏している姿はまさにそうです。
またもう一つの音楽にとっての結果。
それは聞いた人たちの言葉、感想だろう。
その中にも現実的にアプローチしているように思う。
クラシックというとテクニカルや解釈についての難解さがあるが、
それも一つの楽しみ方と言えるだろう。
彼はより楽しむために、
ロマニストでありながらも、現実的な奏者であり、作曲者だ。
そうやって論理から逸れる時の面白さを自身が知り、
そして広めようとしたのではないだろうか、
その行為がまた人間らしく、自然とも言える。
彼の音楽が違う景色を見せてくれるのは当然なのかもしれない。