298 奥田英朗

この人の作品は、
非日常的な言葉と普段のシーンをつなぐのがうまい。
構成作家やコピーライターを経ているのも大きいだろう。
だけど、
それらは繋がれるも何もなく、
分かれてもいないのかもしれない。
普段の中に住んでいる事と、
非日常の会話は特別な世界にあるように思ってしまうけれど、
実はとても地続きな気がする。
元来、日本人だけじゃなくって、
人間は言葉が出身の動物ではない。
ある時に道具として言葉が出来た。
その道具は不思議なことにとてもデジタルだ。
デジタルな時代とかって言われるけれど、
言葉が出来て以来それはずっとあるのだ。
なぜならば、
人が言葉で伝えられることは心や感じてることよりも、
ずっとずっと少ない。
でも非日常や普段なんて事は気にしなくていいから、
言葉の中にうれしさや自分の主語を登場させることで、
すごく面白いんじゃないかなぁ。
好きなものや趣味やお薦めについて話してる時って、
自ずとやってる。
単純だけど、いいことじゃないかなぁ。
つまりは会話をするときの間に人っていうのうができる。