224 ティムバートン監督ースウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師ー。

ティムバートン監督の作品は幸せや不幸をもとに作られていない。
日本のお笑いに近いものを感じるんです。
岡本太郎の極端主義もそうだが、
価値観を突き詰めた所でプレイしているように思う。
中間がごっそりに抜けていて、
お皿の端にある素材同士をぶつけて、その時に生まれる面白さ。
映画のミュージカルや海賊、アニメーションなどという型のなかに、
それらを流し込んでどう溶け合うかを楽しんでいる。
つまりは見たことないものを作りたいってことだと思う。
そういう人はやっぱり流れを変えて、
映画業界の血のめぐりをよくすると思うんですよ
それを受け入れる側も大事ですし、すごいと思う。
異質なものをつなぎ合わせると予想を越えて行き、驚くんですよ。
そこでオカルトと笑いの境界に達する。
文脈を丹念に作っているから効果があるポイント。
夜空の星みたいなもので、
あの夜空って、幸せとか不幸をもとにしてないと思うんですよ。
そこを丹念に作り、ポイントとして星があって、
全体を通して見終えた後などに俯瞰で見たりすると面白いんですよ。
どちらも同時期に作られているものだと思う。
対極に見える、その両方があって世界を捉えることができると考えている。
光と闇という矛盾したつながりが生命力がある表現になると。
その闇から立ち上がる瞬間に得た力。
つまりは光だけでは描ききれないものであり、闇を持ってして、
肯定するべき場所である光が見える。
それは芸術そのものの発生であり、作品の根になるものでしょう。
笑いでは思えば闇となっているものが多く、
延長線上にある光の部分を浮かべ笑う。
光と闇の行き来がとても重要であり、生命の肯定として行為だと思う。