223 寄せ書き

古い小学校の色紙を見る機会がありました。
60年以上前、1940年頃のもので、
卒業の記念として小学生が書いたようです。
夢、希望、勇気、清き心、と
ぼくが子どもだった頃と変わらず、
なんだかほっとした気分になりました。
なんだか、昭和の子どもというと、
気骨があるイメージが強いのだけれど、
ぼくらもなかなかじゃないかと思えました。
思い直してみると、
色紙って不思議だよね。
海外にもあるようですけど、
いわゆる「寄せ書き」って面白いよね。
卒業、退社、病院のお見舞いなんかで、贈与する。
これって、いい文化だね。
三人寄れば文殊の知恵を体現してて、
各々が減るもんじゃないしを思えてると、変わるんだよね、言葉は。
一人の言葉でも、
たくさんの仲間や先人の言葉が重なっていて、
それが文殊となって組まれている。
特別や新しい単語である必要はなくて、
シンプルな言葉でも、
どこか欠けている文章でも、
グッとくる。
一つの方向に矢印があって、他に変換にしようの無さが生まれる。
大切で無くなるとさびしいなと思えるものって、
そういうものだと思う。
無くなると困る事はないかもしれないけれど、
ちょっとさびしくて、切ない。
すぐ使えることはありがたいしあるといいけれど、
時には嬉しがられるのもいい。