202 ブラックジャック

手塚治虫が作った漫画のなかでも、
とてつもなく有名なものの一つでしょう。
ストーリーもある種明快で、
主人公であるブラックジャック医師が、
難病である患者を巨額のお金と引き換えに治療する。
この話しの鍵になるのは、お金だと思う。
難病というのは、イヤなものの象徴と言えると思う。
そして、お金というは、とてもアンバランスなもので、
良いものとも、嫌なものとも言える。
だからこそ、自分の価値基準ではイヤなものかもしれないものを、
相手に差し出して、
相手が納得するかどうか、それがすべてになってくるあたりで
人の面白さが出てくる。
それは話しに登場する人物という事でもあるし、
大きな意味としての人類がどうお金を扱うってところが面白い。
自分の嫌っている可能性のあるお金を渡す事で、
治療は出来るわけだが、
お金そのものを渡すっていうことで傷みが生じる。
それを請け負えるかが問われるのだろう。
矛盾してるともいえるが、
だが、そこで得るものっていうのは、
個人での幸せだとかとはまた違う感覚なのだろうと思う。
それこそ、喜怒哀楽じゃないだろうか。
喜びの感情、怒りの感情とかって、
一面的に思われがちだが、
ほんとうは何層にも、幾通りにも張り巡らされていて、
複雑なものな気がする。
だからこそ、
その感情の表現というのは多様化しにくいのかもしれない。
そうすると、感情とお金と言うのは、
結びつきにくい気がするものは相性がいい気がする。
お金持ちが主人公が出てくるストーリーっていうのは、
なぜか感情的な人間が多いのもそのせいかもしれない。
逆のお金がないのも、しかりと言えるだろう。
人間の人生の面白さの謎みたいなものが、
その辺りにある気がするんです。
傷めにある程度会うところもあるだろうし、
人としての喜びみたいなのものを得れるよさがあったりする。
恐らくだけど、
それは個人単位と社会単位の両方の間に生じるエネルギーみたいなもの。
一つ言えることは、
それはお互いが言葉だと思う。
お互いが言葉でぶつかり合った衝突の時に出来るエネルギーが、
言葉になる前の動物的な力を発するような気がする。