176 ドラゴンボール

新しく豪華本やDVDが発売され、
アニメも地上やケーブルテレビにて再放送しているので
またドラゴンボールがブームなっている。
ゲームなんかも根強く人気だ。
それでアニメや漫画を見返して気づいたのだが、
主人公の孫悟空はドラゴンボールを使ったことがない。
さらに正確にいうと、ドラゴンボールを使った場面にはいない。
これは意外と大きなことだろうと思う。
あるは主人公の人生をどう描くか、ってこと。
格闘家としての人生であり、ドラゴンボールはほんの一部でしかない。
それがいいたかったんじゃないだろうか。
もし、悟空が使う場面に居たとしたら、
修行や戦う、っていう意味が描けなかった。
修行や戦う、っていうことのなかにドラゴンボールが
あるからこそ、ドラゴンボールのほんとうの使い方や
価値があると思う。
それは、お金の価値と全く同じなんです。
あるだけでは価値がなくて、
でもお金だけに欲が行くと本意ではない。
人生の具体的な行動のなかに必要なももの一つ、
これがお金なんです。
なんだか、現代じゃ色々欲しいものがあって、
そしてわからなくなって、
なんでも叶えてくれるお金を欲しがったりする。
それが必ずしも間違ってる訳ではないが、
お金でも大切、でもこっちのほうが大切なんだっていう
価値を作品たちは教えてくれる。
その豊かさは幅を広げるものかもしれない。
その幅をみんなが持って、
お互いにそれを面白がって、
渡し合って、受け取り合って、
ってのは愉快な世の中じゃないだろうか。
それも大切なことの一部なんだから。