171 坂本龍一+Christian Fennes/cendre

坂本氏とFennezは親交的で、以前から
制作を共にすることがあったことから、
今作は作られました。
アンビエント環境音楽、ノイズミュージックなどの
要素が含まれているが、
それが個としてなっているのではなくて、
共に鳴らし合っている印象がとても面白い。
「普段」という箱のなかだけではなくて、
二つの世界が重なりあって見える初めての世界。
とてもユーモラスで、
固着した所ですらも、全く違う風景にしてくれる。
一歩視点を進める、一歩視点を変える。
人は自分が、自分たちが見てる世界が、
思っている以上にすべてだと思っている。
そんな自分の当たり前を疑う。
そこから見えてくるものが沢山ある。
自分たちが思っているよりも、広大で、
幸せなのかもしれない。
そのためには、
なにか道具がいるわけでも、
なにか勇気や言葉がいるわけでもなくて、
ましてかしこさがいるわけでもなく、
ちょっとした情熱や志のようなものではないだろうか。
それらが、お土産をくれる。