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ぼくが最近よく思うのは、
バンド、劇団、グループっていうのは、 一つ一つがジャンルだ、ってこと。
そして、メンバーもひとりひとりがジャンルであるってこと。
それは、個性や独自性という言い方ではもの足りないと思う。
ストーリー、群像劇、家族劇を見せてもらえている、
そう思う。
とても感謝する。
結果として、視聴者である拍手と喝采が、
加えられるまでを含めてのライブや音楽、
もっというとアートの幅じゃないだろうか。
いま、著作権やセールス、
またTVでは視聴率が取りざたされたりしているが、
(それを慮って利用しないケースもあるが)
もっと大事なのはその瞬間に、
今にその音楽や絵や言葉が生きている事ではないだろう。
だからこそ、体感の感謝として、身体の悦びとして、
幾重へと満載なる広がりの結果として、
文化へと生まれる。
もしかしたら、「文化へと生まれる」は
口にあわない方がいるかも知れない。
しかし、文化へと目覚め、文化へと生きようとする、
を指している。
このアルバム、このバンド、彼らが、
幾度目かの誕生を分かち合えさせてくれる。