23 座頭市

とにかく面白かった。
DVDを買ってみたんですけど、本編と特典映像合わせて
全部で4時間ぐらいあるんですけど、あっと言う間に見終えた。
一個一個丁寧に遊んでるなぁ。
全体的にリズムと流れで構成してて飽きないなぁ。
でも、テーマはそこじゃなくて、「余韻」。
殺陣のシーンとかは、しっかりと「斬る」。
斬られたって解りやすいように血が多くでようにしてる。
なぜかって言えば、最近の視聴者は昔ほど注視して見ないから、
繊細じゃわからないから。
でも、それをカバーする為に、「銀残し」ってフィルム現像をしてるから、
あんまりインパクトがきつくならないようにしてる。
それと、一人一人のキャラの設定が薄くならないように、
服や見につけているものでしっかりと印象付けるようにしている。
でも、斬って行ってだけだと、そこだけの濃度が目立つので
薄めるために、笑いの要素を入れている。
「ガナルカル・タカ」はとても重要なポジションで、ここでこうして欲しい
っていう監督のして欲しい事をしっかりと答えを出せる素晴らしい芸人。
しっかり斬るけど、スピードが速い。
グロテスクにならいようにする為に、銀残しをして、
キャラを浮かすために、印象づけをしている。
全体の空気感を暗くしない為に、笑いを入れて薄めている。
これは、全部何の為にやっているかと言うと、
一つ一つの流れの間、違う言い方をすると、余韻の為だと思う。
テンポがないとじれったいけど、テンポがあると、それが間になる。
では何故こんなことをしているのだろう?・・・・
隠そうとして、隠そうとしてのがバレたらまずから出すととこだして、
そしたら余韻が残って、最後に
「目が見えたって、見えないものは見えないんだけどなあ・・」
って哲学で落す。うむ、恐るべし…。 
映画を見ての、私的な感想は「やっぱりblueかぁ」。
青って、直接的な意味だけじゃなくて、
blueって言う、全体で持っている雰囲気。
英語じゃ、名残とか、ワビサビの概念って、実は訳せない。
それは、仏教思想からの慈悲がないから。
キリスト教などでは基本概念としてない。
慈悲、つまりは情深=なさけぶかい・じょうぶかい、ではないでしょうか。
この映画で言うところの、余韻であったり、間にあたると思います。