井上ひさしさん 死去。

まっすぐに日本語を考え、
まっすぐに日本語を読み、
まっすぐに日本語を書いてらした方と思います。
その中には、
人形劇「ひょっこりひょうたん島」や、
数々の舞台、小説などたくさんがあられた。
それは日本語の長い道を引き継がれ、
まっすぐに見据え、そして歩いてこられた道程。
派手でもない、しかし枯れてもいない、
軽さや重さも偏らず、
ごまかさず、しかしまじりけを許し、
敷居を取り除いた、深みのある文。
それが井上さんご自身の存在感でもあられた。
心技体を立派にお持ちで、
ちっとも威張らずに、平気で居て、
緩やかに逞しい。
一つ一つの言葉を信じるが故に、
一切合切をそのままおく。
なお、
足し算や引き算、掛け合わせたりという魅力もご存じである。
海水と真水が混じる場所にいる魚はよく育つ。
それを食すものが豊富な栄養と共に、
しなかやに育つ。
土壌を耕し、水を濾過し、森を茂らせ、
生物たちを育てた。
その先にある場所をぼくは見つめ続けられる事を、
何よりも望み、欲したい。
ありがとう、井上さん。