294 スカイクロラ 著森博嗣

小説に限らずに、
自分の普段の話しでだって、
妙にリアリティに出す為に近づけようしすぎるよりも、
懸命な話しっぷりであるとか、
その人の癖など、
つまりは話し手の人となりが出たものであるほど、
実は聞き手が共感、共鳴を持つのではないだろうか。
意識してる、無意識に関わらずに、
シーン、シーンの中にある会話や状況というのは、
まったくのゼロから生まれるものではない。
日本であるとか、
日本人であるとか、
日本語であるとか、
ということではなくても、
世界やまわりと自分というのは完全に切り離すことは、
やっぱり出来なくて、
だからこそ人から話を聞いたときの感動や琴線に触れ、
小説にとっかかりを見つけたり、
音楽の一音ですら喜びを感じたりする。
そして友人や家族に感謝を熱望して希望する。
喜怒哀楽というとてもシンプルなものは、
実は奇跡のような日々の有り難みじゃないだろうか。